アレクサンダーテクニーク(略:AT)の学びのすべてが統合されるーATの指導をする
アレクサンダーテクニークを自分のために使うことと指導すること
アレクサンダーテクニークの学びにおいて、AT教師として指導することとは、自分のためにATを使うことの延長線上にあります。
他人に指導するときであっても、教えている自分がどれだけATを使っている状態を保てるかが重要になります。
私の卒業した学校では、3回のアセスメント(生徒役を用意し、先生の前で疑似レッスンを行い、その様子を評価してもらう)をパスすると仮免許のAT教師として認定され、教えることができるようになります。
このアセスメントの合否の基準も、生徒役の人に役立つ提案ができるというようなレッスンの内容ではなく、指導する自分がATを使っている状態をレッスンの間も保てるかどうかというところです。
アレクサンダーテクニークを教える練習
学校のクラスでは、受講している仲間のひとりにその場で生徒役をお願いし、教える練習もします。
AT教師という同じ目標を持って学ぶ仲間の中で教える練習をやるということは、同時に仲間たちにも自分の様子を観察されているということでもあります。
ロールプレイのような違和感と先生や仲間に見られている緊張もあって、ATを使っている状態を保つのはさらに難しく感じることは何度もありました。
でもその度に、これはどんな状況においても、ATを使い続ける思考を持つためのいい練習だと考え直し、客観的思考を持ち続けるよう練習しました。
自分がATを使い続けることができるようになることで、生徒さんに触れたときに、生徒さん自身が動きだすのを待てなくて、こちらが動かそうとしていたことに気づけるようになっていきました。
アレクサンダーテクニークの指導に必要なこと
そして今は、ATを指導するためには、生徒さん(人類)のもともと持っている生命力、調整力、望みの力を、心の底から信じる力が必要だと実感しています。
そして信じる力を持つために自分の知識と技術を高める必要があると思えたとき、学ぶことの意味が心身と繋がり、学びのレベルが上がっていくのだと思います。
「今日の状態では何をどう考えたら、体のどこがどう変わるのか」などと、思考と全身の協調性に関する探求は今後も続いていくことでしょう。