マイストーリー①:アレクサンダーテクニーク(略:AT)を学ぶきっかけ
痛みに悩み、模索していた過去
パワーヨガを5年くらい続けた頃から、背中の左側にコリが出始めました。
徐々に筋肉が硬くなっている範囲が広がり、さらに痛みまで出るようになってしまいました。
以前から骨盤の歪みに気づいていました。
でも、ヨガポーズは様々なストレッチを必ず左右行うので、続けていれば左右差は改善されると信じていたし、それが悪化することなど、想像もしていませんでした。
今なら、悪化した理由のいくつかはわかります。
ヨガで姿勢を整えるときに続けていた「尾骨をたくしこむ」という誘導の言葉に従って、骨盤の歪みなど気にせずに動いていた学生の頃からの習慣のまま、骨盤(腰椎、仙骨尾骨)周辺を固めた状態で四肢を動かそうとしていたこと、腹筋群に比べて強かった背筋の使いすぎ、それらに無意識のまま、片足を前に出すだけでも、左右でまったく違う筋肉を使っていたこと、などなど。
しかしヨガを始めて痛みに悩むようになった当初はまったく理由がわからず、ただなんとか痛みとコリを改善したいと、整体や鍼に行ってみたり、ヨガ以外のボディワーク、特にインナーマッスルや仙骨(背骨)の動きに着目したワークに取り組んでみましたが、なにをやっても体の状態はまったく変わりませんでした。
アレクサンダーテクニークを体験して愕然
そのように模索を続けていた2015年のある日、ATの体験に行きました。
ヨガポーズを実践するところを見てもらい、その中でAT教師が私の頭を触ったり、手や足のつき方などを誘導したりしたのです。
そして「今の動きはどうでしたか?」と聞かれました。
私は「どうとは? 何についてどうなのか、言ってる意味がよくわからないな」と困惑したことを覚えています。
その後、いつもの動作との違いを言えばいいのだとわかりました。
確かに自分でやったときと、AT教師に誘導してもらったときとでは、明らかに違いがあり、動きやすくなりました。
それなのにその理由はよくわからず、「なんか違う」「軽い感じがする」「楽に出来た」というような、とても曖昧で抽象的な言葉しかでてこなかったことに、愕然としました。
「なんで自分の体の動きを、こんなにも伝えられないのだろうか」と。
アレクサンダーテクニークに関心を持った理由
AT教師の誘導のままに動くと、それまで苦しく感じていたポーズが楽にできて、スムーズに体が動くことは楽しかったです。
なによりその新しい体験にもっとできるという可能性を感じて、ワクワクする期待がありました。
それと同時に、なぜ楽になるのか理由がわからないことに、モヤモヤするフラストレーションも感じました。
私がATを学ぼうと決めたのは、楽にできる理由を知りたいという気持ちになったのはもちろんですが、人は自分が理解していることしか言葉にできないということ、相手に伝えるには順序立てて話さないければならないこと、そして自分にはそれらが、圧倒的に足りていないのだと実感したからです。
このよくわからない体験の違いを具体的に言えるようになったら、それだけ知識や理解が増え、体も変化していくはずだと直感したのが、最大の理由でした。
こうしてしばらくは、ATを使ってヨガポーズを分解するプロセスの探求が続きます。