腰椎をねじれない?ねじりのポーズのやり方を考えよう
ねじりのポーズのやり方によって効果が変わる
アルダマッチェンドラーサナなどに代表されるねじりのポーズですが、よく腰(骨盤)からねじるように誘導されます。最近では頭から順番にねじるという誘導もありますね。ねじりのポーズには様々な効果がありますが、骨盤の方からねじる場合と頭から捻じる場合では、効果がかなり変わってきます。なので、目的に合わせてやり方を変える方が良いでしょう。
【ねじりのポーズの効果】腰(骨盤)からねじる場合
・脂肪燃焼効果
・お尻まわりの筋力強化
腰からねじるというのは定番の動作で、このとき骨盤を安定させてから、下から背骨を一つずつ積み上げるように動かしていると思われています。ところが、腰椎自体はねじることができません。実際には床と接している坐骨を土台に、股関節と骨盤でねじりの動作を行っています。それによって、お尻やお腹の大きな筋肉が、引っ張られる状態になります。
つまり、ウェストまわりの筋肉の引き締めやストレッチを重視するなら腰(骨盤)からねじると効果的です。
【ねじりのポーズの効果】頭からねじる場合
・せすじのラインの調整
・内臓のマッサージ効果
・自律神経の調整
頭から順番にねじると、背骨全体が動いて、手足も連動して動くようになります。背骨全体に回旋運動が起こるので、身体の内側から全身に刺激を送ることができます。上半身の可動域が大きくなるので、腰椎などの部分的に掛かっていた負担も少なくなります。
ねじりのポーズの注意点:解剖学的に腰椎でできる動きとできない動き
脊椎(頸椎、胸椎、腰椎、仙骨・尾骨)は連動して動きますが、腰椎の椎骨は特徴的な形をしていて、できる運動は屈曲、伸展、側屈だけです。回旋運動はできません。
腰で捻じっていると思っても実際に身体に起きているのは、股関節で動いて骨盤全体が向きを変えるという動きです。腰椎は骨盤や股関節と連動しているため、腰椎をねじっていると勘違いしやすいのです。
腹斜筋などの筋肉は、ねじる方向に引っ張られて伸ばされますが、腰椎自体にねじる運動がほとんどできないことを覚えておいてください。
まとめ
背骨全体の可動域を最大限に引き出して、身体の内側から刺激したいときには頭からねじる。
腹斜筋などウエスト周りを刺激するなら、骨盤からねじる。
このように身体の構造と効果を知って、使い分けられるようになると、ねじりのポーズの可能性も広がることでしょう。