アレクサンダーテクニークを科学する① 姿勢、運動、バランスの違い
アレクサンダーテクニークの基本的な理論
アレクサンダーテクニークは「どんな動作をしても、どんな体勢であっても、頭と脊椎のバランスが取れて動ける状態でありたい」という考え方に基づいて、「頭が脊椎の上で自由に動けることを意識する」を実践することです。
他のエクササイズやボディワークと異なるのは、体のどこかを鍛えたりほぐしたりするのではなく、ただそうであることを意識するのみだということです。
100年以上前に F・M・アレクサンダーが発見したこの理論は当時の科学では検証し切れず、曖昧なことがたくさんあります。
そのため、世間一般には理解されにくいようです。
アレクサンダーテクニークを科学する講座
私たち人間が何かの行動を起こすときに、脳の中で何が起っているのかがわかるようになったのはつい最近のことです。
そんな中、「アレクサンダーテクニーク・サイエンス(ATサイエンス)」という、アレクサンダーテクニークを現在の科学で検証してその結果を発信する講座が開講され、YOGA BASE LABのあつこが受講しました。
非常に専門的で高度な内容が盛りだくさんでしたが、特に姿勢の定義についてはアレクサンダーテクニークを学ぶ場合に加えて、日常的にも役に立つので、ご紹介したいと思います。
「姿勢」と混同しやすい言葉
過去の投稿で、「姿勢」という言葉はイメージする人によって内容が異なると説明しました。
「姿勢」に通じるイメージと混同しやすいものとして「運動」と「バランス」があります。
科学的には、「姿勢」「運動」「バランス」はいずれも、神経系が解決しなくてはならない生体力学的な課題(タスク)を担っている言葉です。
3つはそれぞれに、次のような生体力学的なタスクをこなす場合によって使い分けられます。
- 姿勢:体節の相対的な位置を維持するタスク
- 運動:体の位置を変化させるタスク
- バランス:体全体が基部から倒れないようにするタスク
日常生活では、これらの3つの言葉について明確に理解できていなかったり、混同していたりするのではないでしょうか。
アレクサンダーテクニークは「姿勢」を維持する手段
さて、体の各部分の相対的な位置関係が持続されていることを「姿勢」とするなら、「姿勢」を維持するには相対的な位置関係を持続するプロセスが必要になります。
そして相対的な位置関係のを持続しているときは常に、重力や接触といった外力と筋伸張からの内力の影響を脳で積極的に制御する必要があります。
これらを踏まえ、「姿勢」を維持するためのプロセスにアプローチするのが、アレクサンダーテクニークなのです。
まとめ
普段何気なく使っている「姿勢」という言葉にどんな意味が含められているかなど、あまり考えたことがないと思います。
もし「運動」や「バランス」のつもりで「姿勢」と表現しているとしたら、効率的なパフォーマンスが発揮できないことになるかもしれません。
だから、どのような意味で「姿勢」と言っているのかを見直してみると思わぬ発見があるかもしれません。
参考: ATサイエンス日本語版
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