ヨガとアレクサンダーテクニークで共通する要素を持つ用語を比較
ヨガとアレクサンダーテクニークは共通する要素が多い
体にに余計な負担をかけずヨガを行うために、YOGA BASE LABでは効率的に体の使い方を探究するアレクサンダーテクニーク(以下、AT)を取り入れています。ATでは「どのような姿勢や体勢であっても、頭と脊椎のバランスが取れて動ける状態であれば、余計な負荷がなく体を動かすことができる」という理論に基づいて、頭が脊椎の上で自由に動けることを意識する訓練を繰り返します。練習の方法には、解剖学の知識を通して体に対する認識を改めるボディマッピングや、「Aをしないように」より「Bをしよう」というように別のアイデアへ思考をシフトすることによって体を変化させるなど、様々な手法があります。そしてこれらの手法を実験・体験していると、ヨガと共通するところが多いことに気がつきます。
そこで、今回はヨガとATの用語を比較して、その意味からそれぞれが求めているものをご紹介します。
① 心の止滅とインヒビション
ヨガ:心の止滅
個人のバイアスや先入観、思い込みを持たずに、物事をあるがままを受け止められる思考の状態を意味します。「ヨガ・スートラ」の冒頭に登場する言葉で、ヨガを行う最も大切な目的ですね。
AT:インヒビション(Inhibition)
何か行うときにいつも通りに行おうとする前に“間”を取り、先入観(習慣、クセ)を持たない状態になることを指しています。日本語では抑制と訳されることが多いです。
② チャクラと協調作用(頭と脊椎の関係)
ヨガ:チャクラ(Chakra)
エネルギーのコントロールセンターのことです。解剖学的には背骨の中を通っている脊髄神経であり、その延長にある頭上まで流れていると言われています。
AT:協調作用(頭と脊椎の関係)
頭と脊椎でのバランスが全身に影響することを示しています。私たちは日常的に無意識に頭を引っ込めるような動作をしていて、脊椎が詰まって固まった緊張状態にあります。この緊張状態から解き放たれるために、ATでは特に頭と脊椎の関係性を重視し、全身のバランスを意識するようにします。
③ ヴィンヤサとミーンズ・ウェアバイ
ヨガ:ヴィンヤサ(Vinyasa)
クラス名などでよく聞かれる言葉で、一つひとつのポーズで立ち止まらずにフロー形式で様々なポーズを行うことと思われがちですが、本来の意味は呼吸と動作を連動させ、順番通りに途切れることなく流れるように動くことです。
AT:ミーンズ・ウェアバイ(Means-whereby)
目的としていることを達成するために必要な手段の手順を考え、順番通りに意識的に行うことです。この言葉は、手段とその手順を忘れて、目的に飛びつこうとすることを意味する「エンド・ゲイニング(End-gaining)」の対象語として存在します。エンド・ゲイニングで体を動かすと、どうしても協調作用がうまく働かなくなってしまうので、ATでは手順を一つひとつ丁寧に行うミーンズ・ウェアバイで動く訓練をします。
まとめ
このように、インドで発祥したヨガと欧米に原点を持つATでは言語的に異なるものの、用語が本質的に意味するところには共通している、または延長上にあるものが多いです。ヨガ哲学の用語の中には難解なものもありますが、ATを通すことによって取り入れやすくなることもあるでしょう。
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