「姿勢」という言葉について考える
「良い姿勢」とは何だろう?
SNSなどをチェックしていると、猫背や姿勢改善といったキーワードをよく見かけます。
それらは健康のための注意喚起であったり、美容のための美しさの追及であったりと、幅広い分野の専門家が多種多様な視点から訴求しています。
それだけ「姿勢」というものが注目され、「良い姿勢」を目指すことが望まれているのだといえますね。
様々なストレスにさらされている私たちは、「姿勢」という言葉に対して非常に敏感になっている証拠かもしれません。
「良い姿勢」に対するイメージは人それぞれ
さて、「良い姿勢」という言葉を聞いて、何をイメージするのかや体がどんな反応をするのかは、人によって変わってくるものです。
皆一様に「良い姿勢」をしているつもりでも、その人が育った環境、スポーツや芸術などその人が情熱をもって積み重ねた経験、職種や仕事場の事情など、状況に合わせて変わるものです。
「良い姿勢」のイメージ=思い込みかも
それらのイメージは、「良い姿勢」とはそういうものだという思い込みによって、癖になっているとも考えられます。
「良い姿勢」はこうでなければいけない、「悪い姿勢」はダメというように、自分を追いつめてはいませんか?
思い込みがあると、他の考えを選択する余地がなくなります。
そこで、姿勢という言葉について、客観的に俯瞰してみましょう。
「姿勢」には2通りの意味がある
「姿勢」を調べると次のような2通りの意味があることがわかります。
① 物事に対する心の持ち方や行動の仕方
② 身体が静止している状態、運動している状態のいかんにかかわらず、身体の保つ様子
※参考:日本大百科全書(ニッポニカ)、精選版 日本国語大辞典
①は「考え方から起こす行動」のことで、②は「体勢」と言いかえることができるでしょう。
「考え方」と「体勢」は相互的
「考え方」は「体勢」に表れるものなので、例えば「良い姿勢をしよう」と思ったときに対して、「考え方」を変えるというやり方でも、「体勢」を変えるというやり方でもアプローチできると思います。
YOGA BASE LABでは、「体勢」という視点の中から、全身の骨格やそれぞれの骨がどのように動くのかに基づいて姿勢を整えていきます。
呼吸がスムーズで、何を行っていても、骨格全体でバランスが取れている「体勢(すべての筋肉に、必要以上の緊張や脱力がない)」を「良い姿勢」として目指しています。
重心が一カ所に偏って筋肉を固まらせていない、バランスの取れた「体勢」のとき、思考的にも余裕が生まれ、結果的に「考え方」もバランスがよくなります。
「体勢」を整えることによって、「考え方」や「考え方から起こる行動」も変えられるきっかけになるでしょう。